神奈川県にお住まいのN様からお庭のご相談をいただき、女性一級建築士がお話を伺いにおじゃましました。グリーンパトロールのホームページで様々な施工事例をご覧になられたそうで、奥様から目隠しフェンスや花壇ついてご相談いただきました。
ウッドデッキの前にあるレイランディーが大きくなり過ぎ、手入れができなくなって困っておられました。確かにレイランディーはコニファーの中でも特に成長が早く大きく伸びる品種です。大きくなり過ぎた枝葉がお隣に迷惑をかけないうちに撤去してしまいたいそうです。
しかしこのレイランディーはお隣の窓からの視線をカットする目隠しの役割を果たしていたので、撤去してしまうと目隠しがなくなってしまいます。そこで代わりになる目隠しフェンスの設置をご相談くださったとのことでした。
N様のお宅は緑が美しいグランドカバーのお庭ですが、奥様は花壇の雑草にお困りでした。
ガーデニングが楽しめる花壇も、お手入れの時間がとれない方にとっては雑草の温床になってしまいます。そこで草取りをしなくて良い方法を検討する事にしました。
玄関サイドに植えられているコナラの木の横に、レンガで仕切られている一画がありました。そのスペースは、新たにレンガの見切りと黄サビ砂利を入れてアレンジをすることにしました。一面緑色のお庭にアクセントが付きますし、グランドカバーの広がりを抑えることもできます。
このスペースには昔飼っておられたワンちゃんと小鳥のお墓があるそうで、奥様のご希望でお墓はそのまま大切に残して工事を行うことにしました。
玄関アプローチの階段沿いに設置されているウエスタンレッドシダー製の落下防止用手すりは古くなって傷んでおり、寄りかかったら倒れてしまいそうな危ない状態でしたので、新しく作り直すことになりました。
奥様のお話とご希望を伺い、女性一級建築士がご提案した図面はこちらです。
大きくなり過ぎたレイランディーは撤去し、代わりに背の高いウッドフェンスを設置します。ウッドフェンスや植栽の目隠しで、お隣の視線を気にせず安心して過ごせるようにデザインしました。
花壇は草取りの手間がなくなるように雑草対策を施し、玄関サイドの一角はレンガと化粧砂利でアクセントを付けます。
工事が始まりました。敷地の境界線にあったレイランディー5本は撤去処分し、ウッドフェンスの基礎を作っていきます。ウッドフェンスは強度を高めるため、既存のウッドデッキ本体と緊結します。
弊社では通常、地面に固定するため基礎となる柱を地中に70cmほど埋めますが、こちらのお宅はちょうどこの下が車庫になっており、車庫の天井のコンクリートにあたってしまうため、70cm埋めることができませんでした。
そこで、詳しい技法は企業秘密でご説明できませんがある方法で補強し、しっかり固定しました。普通の業者さんはここまでやりませんが、グリーンパトロールは手間をかけて安全性にこだわっています。
基礎の柱ができたら横板を張り仕上げます。
ウッドフェンスの高さはウッドデッキの床から180cmあります。N様のお宅のリビングから実際に眺めて、お隣の窓が隠れる高さにしました。目隠しだからといってあまり高くし過ぎると圧迫感が出てしまいますが、しっかり目隠しできるのに閉塞感が無いちょうど良い高さで作りました。
デッキ材はハードウッドのイタウバという天然木です。イタウバはブラジルで古くから木橋や木造船の材料として使用されており、水中で用いても30年以上はもつ最高の木材としてヨーロッパ各地で長く使用されています。特に弊社が採用しているパラー州産のイタウバは、油成分が豊富に含まれているため肌触りが良く、反りや暴れささくれが少なく、素足で歩くと気持ちの良いハードウッドなので人気があります。
レイランディーを撤去して穴があいた場所には、土を入れて地面の高さを平らし、その上に新しく防草シートを張ります。元々ウッドデッキ周りに敷いてあった既存の防草シートと馴染むように張り、元のお庭にあったグレーの化粧砂利とよく似たものを補充しました。
草だらけでお困りだった花壇は、低木と雑草を撤去し土の状態にリセットした後、ウッドデッキの横にあったカイドウを仕立て直して移植しました。
玄関アプローチ横の一画は、既存レンガの部分までをアレンジします。コナラの木の周りをレンガで囲い、間に防草シートと砂利を敷きます。ワンちゃんと小鳥のお墓はそのまま大事に残します。
玄関アプローチの階段に設置されていたウエスタンレッドシダー製の落下防止用手すりは、傷んでいたので撤去し、ステンレス製の手すりと交換します。
以前の手すりは隙間が多めのデザインだったので、奥様は「孫が隙間から落ちてしまうと危ないから」と、新しい手すりは隙間の少ない縦格子の物をご希望されました。
雑草だらけだった階段横の花壇は、防草シートと黄サビ砂利で雑草対策をします。
お庭が完成しました。ウッドフェンスの高さはウッドデッキの床から180cmもある背の高いものなので、お部屋の中からお隣の窓は見えません。しっかり目隠しできているので、お隣を気にせずリビングのカーテンを開ける事が出来ますし、ウッドデッキにテーブルや椅子を置いたりして安心してくつろぐことができます。
背の高い目隠しフェンスをアルミで作ると人工物はどうしても冷たい印象があるため、周辺に「見るな!」という圧迫感を与える可能性がありますが、ナチュラルな天然木で作ると温かみのある優しい雰囲気になります。高さもアルミフェンスと違い自由に作れるので、背の高いフェンスは天然木製がおすすめです。
レイランディーの生垣を撤去したスペースは防草シートと砂利で雑草対策を施しましたので、草が生える心配はありません。
ウッドデッキの横の2箇所に新しくソヨゴを植えました。
ソヨゴは成長がとても遅い木です。植木屋さんを頻繁に呼んで剪定してもらう必要がないので、お庭の植栽樹として人気が高い木です。さらに常緑で、雌木なら実が生り、小さな白い花が咲き、虫もつきにくいと、造園の庭木として良い条件が揃っています。
こちらのお宅に植えたソヨゴは目隠しが目的だったので、なるべく幅の広い物を生産者さんに注文していました。通常ですと幅が50cm~60cm位の物しか市場に出回らないのですが、幸運にも幅が1mもある目隠しにぴったりのソヨゴを手に入れる事ができました。
既存のシラカシとコナラは、成長が早くすぐに大きくなる木なので強めに剪定して仕立て直しました。
玄関横のスペースはレンガの囲いと黄サビ砂利でアレンジしました。一面緑色だったお庭にアクセントが加わり、おしゃれな雰囲気になりました。
砂利の上にある動物の置物は元々こちらのお庭にあったものですが、工事の後職人が砂利の上に並べたところ奥様が喜んでくださいました。動物の置物とレンガの色がマッチしていて可愛らしいですね。ワンちゃんと小鳥のお墓は手を加えず残しています。
既存のモミジは葉が少なくなって元気が無かったので、発芽発根促進剤を入れて元気になるように処置しました。
ビフォーアフターをご覧下さい。傷んでガタガタになっていた落下防止用手すりが丈夫なステンレス製になりました。これで手すりの役目を立派に果たしてくれますし、隙間が少ない縦格子なので、お孫さんが隙間から落下するのを防ぐことができます。
草だらけだった階段横の花壇もきれいになりました。防草シートと黄サビ砂利で雑草対策をしたので、お手入れなしでこのままきれいな状態を保つ事ができます。
お庭も綺麗になりました。伸びた庭木を剪定したのでスッキリしましたし、緑一色だったお庭にレンガと黄サビ砂利のアクセントが入ったのでおしゃれな雰囲気にもなりました。
奥様が困っておられた草だらけの花壇は、防草シートと砂利の雑草対策で、草の生えない綺麗な状態を長く保てる花壇に変身しました。
花壇は、土を入れてガーデニングをしていただく方法もありますが、このように草が生えない状態にして、この上にお好きな季節の鉢植えを置いて楽しんでいただく方法もあります。
既存のウッドデッキにウッドフェンスが付きました。大きく伸び過ぎたレイランディーの生垣を撤去した代わりに背の高い目隠しフェンスを設置したので、これからもお隣の視線を気にせず安心して過ごせます。
ここの真下が車庫でコンクリートの天井にあたるため、基礎の柱を深く埋められない環境でしたが、特別補強(方法は企業秘密)してしっかり固定したので、横にぶれたり倒れたりしません。
奥様から「きれいな庭にしていただいて階段を上がるときに目に入る庭も、物干し台から見下ろす庭も、家の中から見る庭も、そして庭に立ったときも、ウッドデッキに立ったときも、みんなとてもすてきです!とても嬉しいです。」
「ご提案してくださった女性一級建築士さん、毎日工事に来てくださった方に感謝でいっぱいです。」と仰っていただきました。奥様に満足して喜んでいただき、弊社も大変嬉しくありがたかったです。