庭に花壇を作りたいけど、庭のどの位置にどんな形の花壇を作るのが良いのか?、どんな種類の花を植えるか?、DIYで自作する場合のメリット・デメリットは?など、お庭に花壇を作る場合の疑問に住環境アドバイザーと女性一級建築士がお応えいたします。
花壇の役割は「見せる」と「楽しむ」
その家の顔となる「見せる花壇」
訪問客がまず最初に目にする門袖や玄関アプローチに素敵な花壇があり、そこに可愛らしい花々や季節を彩る植物が植えられていると、訪問客の心は和むことでしょう。
花壇に植えられている花やその配置から、家主の洗練されたセンスが感じられます。また、手入れの行き届いた花壇を見ると、住人の方は美しいものや整頓を重視し、丁寧なお手入れが行き届く素敵な方なのかなと想像します。
敷地の入口に位置する花壇は目を引く場所ですので、その美しさや工夫が特に際立ちます。
やりたい事を自由に お庭の中の「楽しむ花壇」
一方で、庭の中にある花壇は他人の目を気にせず、自分だけの気ままで楽しい空間となります。
ここでは、自分の好みに合わせて植物を選んで、季節や成長の変化を楽しむことができます。また、ネギやハーブ、プチトマトなどの野菜を植えて家庭菜園としても利用できますね。
花壇作りのポイントアイデア ①DIYでの花壇作り
DIYで花壇を作るには?
お庭に花壇をDIY・自作する際に手軽な方法としては、ホームセンターやインターネット通販で入手できる「花壇材」を利用することがおすすめです。
主な花壇材
ガーデンエッジ
「ガーデンエッジ」は、花壇や庭のふちや端部分を区切り、整えるためのアイテムです。通常、地面に埋め込んで使用し、花壇や植栽エリアを美しく仕切るために利用されます。
花壇ブロック
「花壇ブロック」は、花壇や庭を作る際に使用される構築材料のことで、ブロックを並べたり積み重ねることで簡単に花壇を作り上げることができます。
花壇DIYのメリットデメリット
メリット1:お金をかけずに花壇を作れる
花壇作りに関する費用は、DIYで自作で作業をすることが出来れば、業者に支払う手間賃が不要なため、材料費だけで済みます。
花壇材には多様な選択肢があり、価格を最優先するか、見た目を重視するか、または機能性に焦点を当てるかなど、個人の予算に応じて柔軟に選択できるのがその利点です。
メリット2:素材のクオリティにこだわることが出来る
工事業者が材料費を削減するために、本物とは異なる素材を使うことがある一方で、DIYで自作する場合は手間賃がかからない分、十分な予算を材料に投資することができるというメリットがあります。
レンガを例にとると、業者は費用を抑えるために、本物のレンガに似せて作られたコンクリート製のインターロッキングブロックを使用することがあります。
しかし、DIYで自作する場合は手間賃を節約できるため、本物のオーストラリアンレンガを使用し素材のクオリティにこだわることが可能です。
ウッドデッキ設置の場合も同じで、業者は費用を削減するためにソフトウッド(ロシアンラーチ/ロシアの杉)を使用することがありますが、DIYで自作するならハードウッドなどの高級素材を好みで選ぶことができます。
デメリット1:体力的・時間的に負担がかかる
DIYが得意で自作するのに馴れている人にとっては良い選択肢かもしれませんが、慣れていない場合は作業に時間がかかり、身体的な疲労が伴います。中には、「重い土袋を持って腰を痛めてしまった」といった経験をする人もいます。
デメリット2:仕上がりの美しさや強度に不安
花壇材を水平に真っすぐ並べるには、特別な技術が必要です。DIYでよく見受けられる失敗例は、「四角い花壇を構築したかったのに、ゆがんで真四角にならなかった」や「角が正確な直角にならなかった」といったものがあり、DIYで自作すると理想的な仕上がりにならないことがよくあります。
さらにプロの職人は、強度を重視してモルタルを用いて花壇を設置しますが、DIYで自作する場合はモルタルを使わずに土で仕上げることが一般的です。その結果、DIYで完成した花壇の強度がプロのものに比べて低いという欠点が生じます。
また、素人がモルタルを扱う場合、モルタルが花壇の素材に付着して花壇を汚すといった失敗もしばしば見られます。
プロに花壇作りを依頼すれば失敗しない
プロの職人に依頼すると手間賃が発生しますが、モルタルやコンクリートを用いて花壇材をしっかりと固定できるため、強度が高く丈夫な花壇を設置することができ、施工時間も短く、美しい仕上がりとなります。
また、工事の技術と合わせて植物の生態にも詳しい造園業者であれば、適した場所や方角に花壇を設置する方法や、その花壇に最適な植物の選定、手入れの方法などについてプロのアドバイスを得ることができ、失敗や後悔の無い花壇作りが出来ます。
ホームセンターで購入した花壇ブロックを使ってDIYで自作で花壇を作ろうとしましたが、実行できないままそのまま放置してしまい、最終的にはご相談いただきました。せっかく買った花壇ブロックを無駄にするのはもったいないと考え、足りない分を買い足し完成させました。詳しくみる
花壇作りのポイントアイデア ②花壇のレイアウト、デザイン決め
花壇を庭のどこに作るかが大切
花壇をお庭のどの位置に作るかは非常に重要なポイントです。庭のレイアウトを考慮しながら、方角や日光・雨水の当たり方と照らし合わせて、花壇に最適な場所を慎重に選ぶ必要があります。
おすすめの花壇設置方角、おすすめでない方角
花壇を設ける際には、日当たりの良い「南」または午前中に陽射しがある「東」の方角がおすすめです。
「北」の方角は一日を通して陽射しが少ないため、花壇には避ける方が良いでしょう。
同様に「西」の方角も避けた方が良いです。夕方(15時以降)の西日は植物の成長に悪影響を及ぼす可能性がありますので、花壇の設置には不向きです。
日光が花壇にどんな風に当たるか確認する
花壇を設ける場所を選ぶ際には、日光の当たり方を確認することが重要です。
建物の壁際やひさしの真下など、日を遮る場所に花壇を作ると、一日中日陰になる可能性があるため、植物の成長や開花に影響が出るかもしれません。植物の性質に合わせて適切な場所を選び、日光が十分に得られる場所を選びしましょう。
植物には日なたを好むものと日陰を好むものとあるので、花壇の環境に合わせて条件に適した植物を選ぶと良いです
日なたを好む植物の例:ヒマワリ、ラエンダー、ペチュニア、サルビア、トレニア、バーベナ、ユーフォルビア、カリブラコア、メカルドニア
半日影でもよい植物の例:ゼラニウム、クリスマスローズ、ベゴニア、インパチェンス
日陰でもよい植物の例:タマリュウ、マンリョウ、センリョウ、カタラチバナ(ヒャクリョウ)、ヤブコウジ(ジュウリョウ)、イチリョウ(アリドオシ)、シャガ、シュウカイドウ、ハラン、アオキ、フッキソウ
雨は天然の水やり
雨が当たる場所に花壇があれば、雨の日は天然の水やりに任せることが出来ます。植物が自然の雨水を利用できるように、花壇を作る際には雨が当たりにくい屋根やひさしの下に設置するのは避けましょう。
水やりは、涼しい早朝と夕方がベストなタイミングです。「朝は時間がない」という場合でも、夕方に十分な水を与えれば問題ありませんし、「夜遅くに帰宅する」という方も帰宅後に水やりを行うことができます。植物は夜間に水分を保持するので、夜に水を与えることは植物にとって好ましいです。(ただし霜が降るような寒冷な時期は、夜に水をやるべきではありません)
水やりの時間が確保できない場合や、長期留守にする予定がある場合は、水やりタイマーや潅水コンピューターを使うと便利です。これらの装置を使うと、予め設定した時間に自動的に水やりが行われます。
風の当たり方にも留意する
植物によっては風通しの良すぎる場所を好まない種類もありますので、花壇の設置場所には風の当たり方にも留意する必要があります。
特にエアコンの室外機の周辺は風が過度に当たるため、花壇の場所には適していません。
同様に、住まいが海の近くの場合は、植物によっては潮風が苦手なものもありますので、注意する必要があります。適切な植物選びと配置で、風の影響を最小限に抑えることが重要です。
花壇のデザインはお手入れのしやすさを考慮
花壇を作る場所が決まったら、次はどんな形やデザインにし、どれくらいの大きさの花壇にするかを考えましょう。将来的なお手入れを考慮し、実際に植物を植えた後もお手入れしやすいデザインや適切な大きさを選ぶことがおすすめです。
手入れをしやすいデザイン・大きさに
花壇の大きさについては、端から中央までの距離が腕の長さの範囲内に収まる大きさがおすすめです。中央に手が届かないような広すぎる花壇を作ると、剪定や草取り、施肥などの手入れが難しくなります。手を延ばして手入れがしやすい範囲、おおよそ50~70センチほどの奥行きが使いやすい大きさです。
花壇の形状については、長方形や正方形、丸形などがありますが、狭いお庭ではレイアウトしやすい横長の形が人気です。形状と大きさを適切に選ぶことで、手入れや植物配置がしやすくなります。
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花壇作りのポイントアイデア③お手入れの道具や保管場所を考える
花壇の維持管理には様々なお手入れの道具が必要です。水やりや消毒に使用するじょうろや噴霧器、肥料、スコップ、草刈り鎌などの道具をどこに保管するかも考えておくことが重要です。
道具の保管場所は花壇の近くが便利
道具の保管場所が花壇から遠いと不便ですし、人目に付く場所に雑多に置くと見栄えが悪くなります。そのため、花壇の近くに道具を保管する場所を用意すると便利です。
一般的な選択肢としては物置がありますが、最近では様々なデザインの物置が販売されています。定番のものから可愛らしいもの、オシャレなものなど、お好みに合わせて選ぶことができます。花壇周りにマッチした物置を選ぶことで、ガーデニングがより楽しくなり庭全体の美しさにも繋がります。
ウッドデッキの床下収納が便利!
床下収納付きのウッドデッキを作るという方法もおすすめのアイデアです。ウッドデッキは、室内からお庭に出るためのステップとしてだけでなく、様々な用途に利用できるため、多目的なスペースとして有効です。そして、床下収納を組み合わせれば、道具の収納場所としても優れています。
ガーデニングの手入れ道具だけでなく、アウトドアグッズや車のタイヤなどたくさんの荷物を収納することができ、物置を設置する必要がなくなります。
また、ウッドデッキ自体が憩いの場になるので、お庭に新たな魅力をプラスする方法の一つとしておすすめです。
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花壇作りのポイントアイデア④花壇に何を植える?
手入れが簡単な宿根草がおすすめ
ガーデニング初心者の方や手入れが簡単な植物をお探しの場合は、宿根草(しゅっこんそう)と呼ばれる多年草がおすすめです。
宿根草は一度植えればそのままで、花が終わっても休眠期を経て毎年同じ時期に花を咲かせてくれます。これにより、一年草のように毎年植え替えをする必要がなく、管理が楽です。
季節ごとに花を咲かせるため、花壇をレイアウトすると一年中花が楽しめます。
おすすめの花壇植物
日当たりの良い花壇にはユリオプスデージーがおすすめ
日当たりの良い花壇に最適なお花は、ユリオプスデージーです。線香花火のような可愛らしい花を咲かせ、管理の手間がかからないのが特徴です。放置しておいても毎年花が楽しめ、肥料を与えなくてもしっかり成長します。また、丈夫で頑丈な品種なので、雑草に負けることはありません。
他にも、スズランやスイセンも放っておいても大きく育ち、管理が楽な花です。ハーブ系のラベンダーやローズマリーも丈夫で、育てるのが簡単です。
半日影の花壇にはクリスマスローズがおすすめ
冬から早春にかけて、花が少なくなり寂しく感じる花壇を彩ってくれるのが、クリスマスローズです。
植えっぱなしでも毎年花を楽しませてくれる宿根草である上、多くの品種があり、豊富な花の色や形から好みのものを選べるため非常に人気があります。
ただし、クリスマスローズは日光が過剰でも良くないため、半日影になる場所が最適です。日陰が不足する花壇の場合は、落葉樹で木陰を作るなどのテクニックが役立ちます。
花壇作りのポイントアイデア⑤手抜きガーデニング
「土いじりは苦手だけど、花壇を楽しみたい」「植え替えはハードルが高い」という方に向けて、「手抜きガーデニング」や「時短ガーデニング」の方法を紹介します。
鉢のまま花壇に並べる
購入した鉢植えの花を、本来は花壇に植え替えるのが一般的ですが、手間を省くためには鉢のまま花壇に配置する方法もあります。
この方法では、植え替えの手間なく簡単に季節の花を楽しむことができます。例えば、「冬はパンジー、春はペチュニア、夏はポーチュラカ」といった風に、季節ごとに鉢を交換すれば良いので、植え替えの手間をかけずに花壇を楽しむことができます。
注意点として、鉢植えの場合は水やりに注意が必要です。土に植えた場合よりも鉢の中の土が早く乾燥するため、こまめな水やりが必要です。
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