天然芝生の美しさを保つためには、定期的な手入れが欠かせません。芝生の手入れは季節ごとに適した作業があり、年間を通してのスケジュールをしっかり立てることが大切です。
芝生の手入れにおける基本的な作業と、季節ごとの具体的な年間スケジュール、そして芝生のお庭の雑草対策について、造園のプロが解説します。
天然芝生のお手入れ&管理方法と雑草対策 目次 |
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芝生のメリットとデメリット 芝生の手入れに必要な基本作業 L①芝刈り L②水やり L③施肥 L④エアレーション L⑤サッチング L⑥病害虫の管理 L⑦目土 L⑧トップドレッシング 芝生の雑草対策 L①芝生の雑草対策の重要性 L②芝生に生える主な雑草の種類 L③芝生の雑草対策方法 芝生のお手入れ年間スケジュール L芝生のお手入れ年間スケジュールカレンダー L①春(3~5月) L②夏(6~8月) L③秋(9~11月) L④冬(12~2月) 芝生のお庭おすすめデザイン例 L①お庭全体に芝生 L②芝生+ウッドデッキ L③芝生+ジェラストーンの石張り L④芝生+コンクリート L⑤芝生+英国風ガーデン |
青々とした天然芝生のあるお庭は素敵ですね。ただし芝生のお庭はメンテナンスの手間とコストがかかるため、お庭の手入れにかける時間の余裕がある方や、日常的な管理を惜しまない方に適しています。
お庭に天然芝生を張るメリット
見た目の美しさ
芝生は緑が豊かなため、庭全体が美しく、リラックスできる空間になります。四季を通じて庭の変化を楽しめるのも魅力です。温度の調節効果
天然芝はアスファルトやコンクリートよりも地表温度を下げる効果があるため、特に夏季には庭や周辺の気温を下げる働きがあります。
エコフレンドリー
芝生は二酸化炭素を吸収し、酸素を供給します。また、雨水を吸収し、土壌への浸透を促進するため、都市部の水はけ改善に役立ちます。
安全な遊び場
柔らかい天然芝は、子供やペットが遊ぶ際に転んでもケガをしにくく、また人工芝に比べて化学物質の使用が少ないため、より安全とされています。
防音効果
天然芝は音を吸収する性質があり、近隣からの騒音をある程度抑えることができます。
お庭に天然芝生を張るデメリット
メンテナンスの手間
芝生の定期的な刈り込み、消毒・肥料の散布、雑草の管理などが必要です。また、水やりも重要で、特に夏場には頻繁な水やりが欠かせません。
コスト
芝生を張るための初期費用に加え、維持管理にもコストがかかります。特に広い庭であれば、芝刈り機や散水システムが必要になる場合もあります。
季節の変化による影響
日本芝は冬になると色が褪せたり枯れたりすることがあります。一年中美しい緑色を保つためには西洋芝を植える必要があります。
害虫や病気のリスク
芝生にはヨトウムシやコガネムシの幼虫などの害虫が発生する可能性があり、定期的な防虫対策が必要です。また、芝生が病気にかかることもあり、管理を怠ると全体が枯れることもあります。
使用制限
天然芝は、同じ場所を頻繁に踏まれると傷んでしまいます。
芝生の手入れに必要な基本作業
芝生のお手入れ&管理方法①芝刈り
芝生のお手入れ&管理方法
①芝刈り
芝刈りの役割と重要性
芝刈りは、芝生の手入れの中でも最も基本的かつ頻繁に行う作業です。定期的な芝刈りは、芝生の密度を高め、健康な芝生の成長を促進します。芝を適切な高さに保つことで、芝生の見た目を美しく保つと同時に、雑草の繁殖を防ぐ効果もあります。また、芝刈りを行うことで、芝の根がしっかりと伸び、耐久力のある芝生になります。
芝刈りの基本的なポイント
刈り高さの調整
芝の種類によって最適な刈り高さは異なりますが、一般的には2~4cmが適切です。あまり短く刈りすぎると、芝生が弱り、雑草が生えやすくなることがあります。一方、長すぎると通気性が悪くなり、病気や害虫の発生リスクが高まります。
芝生を刈る頻度
春から夏にかけては芝生の成長が活発なため、週に1~2回のペースで芝刈りを行うことが理想的です。秋や冬は成長が緩やかになるため、頻度を減らしても問題ありません。
芝生の刈り方の工夫
芝刈りは同じ方向ばかりで行うと、芝が偏った方向に倒れやすくなります。刈る方向を交互に変えることで、均等な成長を促し、見た目の美しさを保つことができます。
芝刈り機のメンテナンス
芝刈り機の刃が鈍くなると、芝を引きちぎってしまい、病気の原因となる可能性があります。定期的に刃を研ぎ、機械のメンテナンスを行うことが重要です。
芝生のお手入れ&管理方法②水やり
芝生のお手入れ&管理方法
②水やり
水やりの役割と重要性
芝生は適切な水分を必要としますが、過度な水やりや乾燥は、芝生の成長や健康に悪影響を及ぼします。特に気温が高く乾燥しやすい季節には、芝生が十分に水分を保持できるように定期的な水やりが必要です。
芝生の水やり 基本的なポイント
水やりのタイミング
水やりは早朝か夕方、気温が涼しい時間帯に行うのが理想的です。日中の高温時に水やりを行うと、水分が蒸発しやすくなり効率が悪くなります。
また、夏の強い日差しの下で水やりをすると、水滴がレンズのように光を一点に集め、そこに強い熱が集中してしまうことで、葉に日焼けや損傷が起きることがあるため、避けたほうが良いです。
水やりの頻度
水やりの頻度は気候や季節によって異なりますが、一般的には週に1~2回が適切です。特に夏場は、1回の水やりでしっかりと深く水を与えることが重要です。表面だけを軽く湿らせるよりも、根が深くまで伸びるように深い水やりを心掛けましょう。
水やりの量
芝生に必要な水の量は、天候や土壌の状態によりますが、1平方メートルあたり25~40リットル程度の水が必要です。水やりの後に土がしっかりと湿っているか確認し、過不足を調整します。
乾燥対策
特に夏の乾燥した時期は、芝生が弱りやすくなります。乾燥していると感じたら、葉がしおれ始める前に水を与えましょう。乾燥した土壌は水を吸収しにくくなるため、少量の水を数回に分けて与えると効果的です。
芝生のお手入れ&管理方法③施肥
芝生のお手入れ&管理方法
③施肥
施肥の役割と重要性
芝生は成長のために、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)といった栄養素を必要とします。特に窒素は芝生の緑色を鮮やかにし、成長を促進する重要な役割を果たします。適切な時期に肥料を与えることで、芝生の健康を維持し、病気に強い芝生を育てることができます。
施肥の基本的なポイント
肥料の種類
芝生用の肥料には、即効性のものと緩効性のものがあります。即効性肥料は早く効果が現れますが、持続期間が短いため定期的な施肥が必要です。一方、緩効性肥料はゆっくりと栄養が放出されるため、長期的に効果が持続します。
施肥のタイミング
春から秋にかけて、芝生の成長期に施肥を行います。特に、成長が始まる春と、成長がピークに達する夏前が重要な時期です。秋には、冬の耐寒性を高めるためにカリウムを多く含む肥料を使用することが推奨されます。
施肥の量
肥料は適量を守って使用することが大切です。過剰な施肥は芝生にダメージを与え、根焼けや成長不良の原因となります。袋に記載されている推奨量を確認し、それに従って施肥を行いましょう。
施肥後の水やり
施肥後には必ず十分な水を与えることで、肥料が均等に浸透し、芝生に効果的に行き渡るようにします。水を与えることで、肥料の濃度が薄まり、根に直接ダメージを与えるのを防ぎます。
芝生のお手入れ&管理方法④エアレーション
芝生のお手入れ&管理方法
④エアレーション
エアレーション(通気性改善)の役割と重要性
エアレーションは、土壌に穴を開けて空気や水、栄養分を芝生の根に行き渡らせる作業です。特に、土壌が硬くなりやすい場所や、踏み固められやすい場所では、エアレーションが必要です。これにより、芝生の根が健康に育ち、より強く密集した芝生を作ることができます。
エアレーションの基本的なポイント
エアレーションのタイミング
春や秋、芝生が成長期に入る前に行うと効果的です。特に、芝生が硬くなっている場合や、成長が鈍くなっている場合には、エアレーションを行うことで芝生の健康を回復させることができます。
エアレーションの方法
手動または機械を使って、芝生全体に小さな穴を開けます。これにより、酸素、水分、肥料が土壌に行き渡りやすくなり、根の成長を促進します。エアレーション後には、必ず肥料を施し、芝生の成長をサポートしましょう。
芝生のお手入れ&管理方法⑤サッチング
芝生のお手入れ&管理方法
⑤サッチング
サッチングの役割と重要性
サッチ(thatch)とは、芝生の表面に蓄積した枯れた芝や有機物の層のことです。この層が厚くなると、水や栄養が根まで届きにくくなり、芝生の健康を損ねる原因となります。サッチングは、このサッチを取り除く作業です。
サッチングの基本的なポイント
サッチングのタイミング
サッチングは春や秋、成長期の前に行うと効果的です。冬の間に蓄積したサッチを取り除くことで、新しい成長を促進します。
サッチングの方法
手動のサッチングレーキや機械を使って、芝生の表面を引っ掻くようにしてサッチを取り除きます。作業後には、取り除いたサッチを集め、施肥と水やりを行って芝生の健康をサポートします。
芝生のお手入れ&管理方法⑥病害虫の管理
芝生のお手入れ&管理方法
⑥病害虫の管理
芝生には病害虫が発生しやすく、健康な状態を維持するには定期的なケアが重要です。
芝生の主な病害と対策
芝生の病害は主に真菌によるものが多く、湿度や温度が高いと発生しやすくなります。
赤サビ病
赤茶色の斑点ができる病害です。湿度が高い時期に発生しやすいです。予防策として、芝生の通気性を良くし、密集しないように刈り込みを調整します。発生した場合は、適切な殺菌剤を使用します。
葉腐病(ドルポート病)
芝生の葉が腐って枯れる病気です。日照不足や湿気が原因となります。刈り込みの頻度を調整して、風通しを良くすることで予防します。また、発生したら殺菌剤を散布するのが効果的です。
ピシウム病
高温多湿時に発生しやすい病害で、芝生が急速に枯れることがあります。芝の根元が密集しないように管理し、発生した場合は早急に殺菌剤を使用します。
病害の対策方法
芝生が密集しすぎないように適度な間隔で刈り込みを行い、空気の流れを良くして通気性を確保すると良いです。また、水はけが悪いと病気の原因になりますので、砂を混ぜたり、排水対策を行うことも重要です。
なお、定期的に殺菌剤を散布することで、予防効果が期待できますが、薬剤の使用量や頻度には注意が必要です。
芝生の主な害虫と対策
芝生には、特に夏場に多くの害虫が発生することがあります。
ヨトウムシ
夜に活動し、芝を食害する害虫です。見つけ次第取り除き、定期的に防虫剤を使用すると効果的です。
シバツトガ
芝の根元を食害し、成長を阻害します。幼虫がいる場合は早めに除去し、必要に応じて防虫剤を使用します。
コガネムシ幼虫
根を食害するため、芝が枯れる原因になります。捕殺や薬剤を使用し、必要に応じて土壌改良も行います。
害虫の対策方法
芝生の害虫発生を防ぐには、芝生の健康維持がまず基本です。まず、定期的な芝刈りが重要で、長さが一定であることで害虫の隠れ場所が減ります。刈り屑は必ず取り除き、湿気がこもらないようにします。水やりも適切な量を守り、早朝か夕方に行うとよいです。常に湿った状態は避け、土壌が乾くタイミングを見計らいながら調整しましょう。
また、エアレーションで通気性を高め、土壌が固まりすぎないようにします。肥料は過剰にならないように春と秋に施肥し、芝生を健康に保ちます。また、定期的にニームオイルなどの天然防除剤を散布し、害虫が寄り付かないようにするのも効果的です。月1度のモニタリングで害虫の有無を確認し、早期対応ができるようにしましょう。
芝生のお手入れ&管理方法⑦目土
芝生のお手入れ&管理方法
⑦目土
目土の役割と重要性
目土は芝生の根の成長を促し、地面の凹凸を整え、密度を高める効果があります。これにより、芝生は健康で美しくなり、雑草の発生も抑えられます。また、水はけを改善し、根腐れ防止にも役立ちます。
目土の基本的なポイント
目土のタイミング
目土を行うのに適した時期は、芝生が成長する準備段階の早春(霜が降りなくなった後)や、暑さが通り過ぎた晩秋(10月~11月頃)です。
目土に使用する土
目土には、焼き土の使用が適しています。焼いていない土を使用すると、雑草の種が混入するため芝生に雑草が生える原因になります。
また目土には、芝生と相性の良い目の細かい土や、川砂と黒土を混ぜたものが適しています。水はけが良く、栄養分も供給できます。
目土の方法
①芝刈りを行う:目土を撒く前に、芝生を短く刈り込んでおきます。これにより、土が芝生の根元に届きやすくなります。
②エアレーション:可能であれば、エアレーターやフォークなどで地面に穴を開け、通気性を良くしておきます。これにより目土が土壌にしっかりと馴染み、根への栄養補給がスムーズになります。
③目土を均等に撒く:用意した目土をスコップや手で均等に撒きます。一度に厚く撒かず、1回あたり約5mm程度に抑え、薄く均等に広げます。厚く撒きすぎると、芝生が覆われて光合成ができなくなる恐れがあるため、目土が芝の葉を完全に覆わないよう、レーキなどで薄く均一に広げます。
芝生のお手入れ&管理方法⑧トップドレッシング
芝生のお手入れ&管理方法
⑧トップドレッシング
トップドレッシングの役割と重要性
トップドレッシングは、芝生の上に薄い層の土や砂を撒いて表面を平らにし、土壌の構造を改善する作業です。これにより、水はけが良くなり、根の成長が促進され、芝生の密度が増します。
トップドレッシングの基本的なポイント
トップドレッシングのタイミング
春や秋、芝生が成長期に入る前に行います。特に、土壌の改善が必要な場合や、芝生が薄くなっている部分に対して効果的です。
トップドレッシングの方法
トップドレッシング用の専用土や砂を均一に撒き、軽く耕すことで、土壌の表面を均等に整えます。作業後には十分な水を与え、芝生の根が新しい土に馴染むようにします。
芝生のお手入れ&管理方法
まとめ
庭の芝生の手入れは、芝刈り、水やり、施肥、エアレーション、サッチング、雑草と病害虫の管理、トップドレッシングといった基本作業を年間を通して行うことが重要です。
これらの作業を定期的に行うことで、芝生は健康的に成長し、見た目も美しく保つことができます。それぞれの作業はタイミングや適切な方法を守りながら行うことが、長期的な芝生の維持に大きく貢献します。
芝生の雑草対策
雑草対策は、芝生の美観を保つだけでなく、芝生の健全な成長や全体の健康維持にも欠かせない要素です。
①芝生の雑草対策の重要性
芝生の成長を妨げる
雑草は、芝生の間に根を張り巡らせ、栄養や水分を奪います。特に乾燥が続く季節や土壌が痩せている場合、雑草が増えると芝生への栄養供給が不足し、芝生が元気を失ってしまうことがあります。また、雑草は芝生よりも成長が速いため、競合してしまうと芝生の密度が薄くなり、健康を損なう原因になります。
見た目の美観を損なう
雑草は芝生の見た目を大きく損ないます。芝生は均一な緑色の広がりが美しいですが、雑草が混じると異なる色や質感が目立ち、美観が損なわれます。特に公共の公園やゴルフ場、庭などの景観が重視される場所では、雑草対策は大きな意味を持ちます。
病害虫の温床になる
雑草は病害虫の温床にもなりやすく、病害虫が発生すると、芝生にも感染が広がるリスクが増します。雑草が繁殖することで通気性が悪くなり、湿気がこもりやすくなるため、芝生に対して病気が発生しやすい環境を作り出してしまいます。また、害虫は雑草を好んで食害し、そこから芝生に被害が拡大することもあります。
芝生の管理がしにくくなる
雑草が繁殖すると、芝刈りや除草作業が増えて管理が煩雑になります。特に、芝刈り時に雑草が多いと、刈り高さや除草の頻度を調整する必要が出てきて、芝生本来の成長サイクルが崩れる原因にもなります。
②芝生に生える主な雑草の種類
天然芝生に生える主な雑草には、さまざまな種類があり、季節や環境に応じて異なる雑草が発生します。以下によく見られる代表的な雑草を紹介します。
スズメノカタビラ
- ・特徴:小さな穂を持つ一年草で、芝生の間に密集して生えやすいです。
- ・発生時期:主に春から秋にかけて。
- ・対策:根が浅いので、早めに引き抜くことで抑制できます。特に春に多く発生するため、定期的な除草が効果的です。
オヒシバ
- ・特徴:強い繁殖力を持ち、横に広がって成長します。根が深く、耐久力が高い雑草です。
- ・発生時期:夏に多く見られます。
- ・対策:根が深いため、しっかりと引き抜く必要があります。発生する前に芝生の密度を高めておくと、抑制効果が期待できます。
メヒシバ
- ・特徴:オヒシバに似ていますが、葉が柔らかく、芝生と同じように地面を這うように広がります。
- ・発生時期:夏~秋。
- ・対策:浅い根を持つため、初期段階で取り除くと効果的です。芝生が密集していると生えにくくなります。
シロツメクサ(クローバー)
- ・特徴:白い花を咲かせる多年草で、芝生の中でも目立ちやすいです。
- ・発生時期:春~夏。
- ・対策:根がしっかり張っているため、掘り起こして除去する必要があります。芝生に適切な施肥を行うと抑制されやすいです。
カタバミ
- ・特徴:小さな黄色い花をつける多年草で、湿り気のある場所に多く生えます。
- ・発生時期:春~秋。
- ・対策:根が強く張るため、しっかりと掘り起こして除去するのが効果的です。定期的な芝刈りも効果があります。
ハマスゲ
- ・特徴:地下茎が強く、繰り返し生えてくる多年草。芝生の根の間をすり抜けて成長します。
- ・発生時期:春~秋。
- ・対策:地下茎が強く、抜くだけでは再生しやすいです。根ごと取り除くか、選択的な除草剤の使用も検討します。
タンポポ
- ・特徴:黄色い花が特徴的で、種子が風で飛び散りやすい多年草です。
- ・発生時期:春が中心ですが、条件が良ければ年中発生します。
- ・対策:深い根があるため、早めに掘り起こして除去する必要があります。芝生を密集して植えると抑制効果が期待できます。
イヌビエ
- ・特徴:イネ科の一年草で、夏の間に急速に成長します。高さがあるため芝生から目立ちます。
- ・発生時期:夏。
- ・対策:根が浅いので、早期の除草が有効です。また、夏場の芝刈りで抑制することが可能です。
ホトケノザ
- ・特徴:早春に成長する一年草で、ピンク色の小さな花をつけます。
- ・発生時期:主に春。
- ・対策:発生が早いので、冬から春にかけて除草作業を行うと効果的です。花が咲く前に除去すると、種の拡散を防げます。
アレチウリ
- ・特徴:つる性の植物で、成長すると芝生を覆ってしまうため、芝生の発育を阻害します。
- ・発生時期:春~夏。
- ・対策:つるが伸びる前に引き抜くことが重要です。また、定期的な芝刈りで抑制できます。
③芝生の雑草対策方法
天然芝生における雑草対策には、定期的な手入れと適切な環境管理が重要です。以下に、雑草を効果的に抑制し、健康な芝生を維持するための方法を具体的に紹介します。
手動での除草
雑草対策の方法
雑草が少ない場合や小規模な芝生においては、手で引き抜くのが最も確実です。特に根が浅い雑草(スズメノカタビラやメヒシバなど)は、手で簡単に除去できますが、根が深い種類(タンポポやシロツメクサなど)は根元からしっかりと掘り出すことが重要です。
雑草対策のタイミング
雑草が小さいうちに除去することで、繁殖を防ぎます。特に雨上がりの柔らかい土壌では、雑草を引き抜きやすくなります。
芝刈りの管理
芝刈り雑草対策の方法
適切な芝刈りは雑草抑制に非常に効果的です。芝を2~4cm程度の高さに保つと、雑草が日光を受けにくくなり、成長が抑えられます。頻度は季節に応じて調整し、春から秋にかけては特に注意して行います。
芝刈り雑草対策のポイント
刈り高を一定に保ち、あまり短く刈りすぎないようにします。短すぎると芝生が弱り、雑草が生えやすくなります。
水やりと肥料の管理
水やり
芝生の水やりは朝方に行い、土が乾きすぎないように注意します。夕方に水を与えると湿気が夜間にこもり、病害の原因になるため避けます。
肥料
芝生が健康で密集して育つように、適切な施肥が必要です。芝生の成長に適した肥料(窒素、リン酸、カリウムなど)をバランスよく与えることで、雑草が育ちにくい環境を作ります。肥料は春と秋に施すのが基本です。
エアレーション(通気性の改善)
エアレーションの方法
エアレーションは、土壌に穴を開けることで芝生の根に酸素を供給し、健康な成長を促進します。また、水はけが良くなり、雑草の生育を抑制する効果もあります。
エアレーションのタイミング
年に1~2回、春または秋に行うのが一般的です。特に土が硬くなっている場合や水はけが悪い場合は、エアレーションが効果的です。
除草剤の使用
除草剤の使用方法
芝生に適した選択性除草剤を使用することで、雑草だけを除去し、芝生への影響を抑えられます。選択性除草剤は特定の雑草に対して効果を発揮し、芝生を守りながら雑草を枯らします。
芝生に適した除草剤
芝生に適した選択性除草剤とは、芝生を傷めずに特定の雑草だけを除去できる除草剤のことです。芝生の中に生える広葉雑草や一年草雑草に効果的で、芝生の種類に合ったものを選ぶと効果が高まります。
例えば、「MCPP」や「2,4-D」といった成分が含まれる除草剤は、イネ科である芝生には影響を与えずに、イネ科ではない雑草を枯らします。
使用時には、芝生と雑草の種類に応じて適切な除草剤を選び、ラベルの使用方法や対象雑草を確認しながら適量を守って散布することが大切です。
除草剤使用のタイミング
春や秋の気温が安定した時期に使用すると効果的です。除草剤のラベルに記載された指示を守り、適量を使用します。また、薬剤の使用は最後の手段として考え、頻繁に使いすぎないようにしましょう。
土壌の改善
土壌の改善の方法
水はけが悪い土壌や痩せた土壌は雑草が好むため、砂や肥料を混ぜて土壌改良を行います。また、pH値が芝生に合わない場合(酸性が強すぎる場合)は石灰を加えて中和することで、芝生が元気に育ちやすくなります。
土壌の改善の効果
健康な芝生は雑草の侵入を防ぐため、土壌の質を改善することも雑草対策として重要です。
まとめ
天然芝生の雑草対策には、手動での除草、芝刈りの管理、水やりと肥料の適切な管理、エアレーション、除草剤の活用など、複数の方法を組み合わせることが効果的です。これらの対策を定期的に行うことで、芝生の美観を保ち、健康な芝生を維持することができます。
芝生のお手入れ年間スケジュール
芝生の手入れは、季節ごとに異なる作業が必要です。年間を通じたスケジュールを立てて、適切なタイミングで手入れを行うことが、芝生の健康と美しさを保つ鍵です。
①春(3~5月)
春は芝生の成長が始まる季節で、手入れのスタートとして重要な時期です。冬の間に傷んだ芝生を回復させ、新しい成長を促す準備を行います。
3月:芝生の目覚め
- ・冬の間に蓄積した枯れ芝やゴミを取り除くサッチングを行います。これにより、新しい芝の成長を促進します。
- ・春の成長期に向けて、この時期に芝生の目土を行うと効果的です。根が養分を吸収しやすくなり、健康な成長をサポートします。
- ・気温が10℃を超える頃から、エアレーションを開始。芝生の根に空気が行き渡りやすくなります。
- ・春の施肥(肥料散布)を始める。窒素を多く含む肥料を使い、成長をサポートします。
4月:成長の促進
- ・芝生が徐々に成長し始めるため、定期的な芝刈りを開始します。初めはあまり短く刈らず、芝が十分に伸びてから刈り始めることが重要です。
- ・施肥を続け、成長を促します。週に1回程度の水やりも必要ですが、過度な水やりは避けましょう。
- ・雑草の発芽を防ぐために、芝生に適した選択性除草剤を使用するか、手作業で雑草を取り除きます。
5月:メンテナンスの開始
- ・芝刈りの頻度を週に1回程度に増やし、成長をコントロールします。
- ・エアレーションやサッチングを続け、根の健康を保つために土壌を適度に緩めます。
- ・雑草が増えやすい時期なので、こまめに除草を行いましょう。
②夏(6~8月)
夏は芝生の成長が最も活発になる時期ですが、同時に高温や乾燥に対するケアが必要です。芝生の健康を守るため、適切な水やりと肥料管理が重要です。
6月:成長のピーク
- ・芝刈りは週に1回以上のペースで行い、芝が伸びすぎないようにします。特に梅雨時は成長が早いので注意が必要です。
- ・雑草が発生しやすくなるため、早めの除草作業を行います。特に、土壌の酸性化を防ぐために、必要に応じて石灰を散布することも検討します。
- ・施肥を続け、夏に向けて芝生の栄養補給を行います。
7月:暑さ対策
- ・夏の高温に備えて、水やりを増やします。早朝または夕方の涼しい時間帯に毎日行うと、効率的に水を芝に吸収させることができます。1回の水やりで深くまで浸透させることが大切です。
- ・芝刈りの高さを少し高めに設定し、芝生が暑さから保護されるようにします。あまりに短く刈ると、芝が弱ってしまうことがあります。
- ・雑草の除去と病害虫対策も引き続き行いましょう。
8月:高温ストレスへの対処
- ・毎日水やりを行い、乾燥を防ぎます。芝生が乾燥すると、枯れたり病気になったりするリスクが高まります。
- ・肥料は暑さで芝がストレスを受けている可能性があるため、この時期は控えめに与えるか、休止します。
- ・夏の終わりに向けて、雑草が繁殖しやすくなるため、こまめな除草が必要です。
③秋(9~11月)
秋は夏の暑さで傷んだ芝生を回復させ、冬に備える時期です。成長が再び活発になるため、芝刈りや施肥が重要です。
9月:回復の時期
- ・涼しくなり、芝生の成長が再び活発になります。芝刈りの頻度を維持しながら、傷んだ部分を修復します。
- ・秋の施肥を行い、冬に向けての栄養補給を開始します。カリウムを多く含む肥料を使い、耐寒性を高めるのがポイントです。
- ・エアレーションを再開し、土壌が硬くなった部分を改善します。
10月:冬への備え
- ・気温が下がり始めるため、芝生の成長が緩やかになりますが、まだ成長しているため、芝刈りは続けます。ただし、刈りすぎないように注意しましょう。
- ・冬に備えて最後の施肥を行います。カリウムを多く含む肥料を使用し、芝生の根を強化します。
- ・雑草の発生が少なくなるため、除草作業は軽めに行います。
11月:冬支度
- ・芝刈りの回数を減らし、最終的には芝生が休眠状態に入るのを待ちます。
- ・霜が降りる前に、必要に応じて保護マットやカバーを使用して芝生を保護することを検討します。
④冬(12~2月)
冬は芝生が休眠状態に入り、成長がほぼ止まる時期です。大きな作業は必要ありませんが、来春に向けた準備を整える時期でもあります。
12月~1月:休眠期間
- ・芝生は休眠状態になるため、特に大きな作業は必要ありません。ただし、霜や雪が積もった際には、芝生を踏まないように注意します。
- ・落ち葉や枯れた枝を取り除き、芝生の通気性を保つようにします。
- ・大きな積雪が予想される地域では、重みで芝生が傷むのを防ぐために、定期的に雪かきを行います。
2月:準備期間
- ・霜が完全に溶けるまで待ち、芝生を踏むことは避けましょう。
- ・冬の終わりに向けて、芝生が春に再び成長を始める準備を整えます。この時期に有機肥料を与えておくと、春の成長期にゆっくりと栄養が供給されるため効果的です。
有機肥料は、堆肥や油かすなどの自然素材から作られ、土壌中の微生物が分解することでゆっくりと栄養が供給されます。このため、土の保水性や通気性を改善し、持続的な土壌改良が期待できます。
一方、化学肥料は人工的に作られた無機物から成り、速効性があるため短期間で効果が出やすいのが特徴です。成分が安定しているため、栄養量を計算しやすい反面、過剰に使用すると土壌や環境に負担をかけることもあります。そのため、用途に応じて使い分けるのが理想的です。
まとめ
芝生の手入れは年間を通して行う必要があり、季節ごとに異なる作業が求められます。
春は成長の準備をし、夏は暑さ対策と成長の管理、秋には冬に備えて芝生を整え、冬は芝生を休ませます。この年間スケジュールを守り、適切なタイミングで作業を行うことで、健康で美しい芝生を維持することが可能です。
芝生のお庭おすすめデザイン例
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芝生の庭デザイン例①お庭全体に芝生
芝生の庭デザイン例
①お庭全体に芝生
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人工芝を敷いていたお庭でしたが、お子さんが生まれたのを機に天然芝に張り替えたいとご相談いただきました。
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芝生の庭デザイン例②天然芝生+ウッドデッキ
芝生の庭デザイン例
②天然芝生+ウッドデッキ
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何もなくて寂しいお庭でしたが、ウッドデッキと芝生のお庭にリフォームし、家族が楽しく過ごせるスペースになりました。180cmの背の高いフェンスを設置したので、お隣さんの視線を気にせずにお庭で過ごせます。
ウッドデッキにはさっそく、テーブルと椅子、そしてご主人ご自慢のバーベキューコンロが。奥さまと2人の子どもさんそしてワンちゃんと、楽しいガーデンライフをエンジョイしてください。
芝生の庭デザイン例③天然芝生+ジェラストーンの石張り
芝生の庭デザイン例
③天然芝生+ジェラストーンの石張り
芝生の周りにジェラストーンの通路 ~神奈川県藤沢市 T様邸
ご主人から「芝生を育てたい」とのご希望をいただき、中央に芝生を植えるスペースを作り、周りにジェラストーンを張りました。
このジェラストーンの配置は、見た目の良さだけでなく、お庭の管理ツールとしての利点があります。
まず第一に、芝生の面積を極力減らすことで、芝生の維持管理が楽になります。第二に、芝生や花壇、植木の水やりや手入れの際、ジェラストーンの通りみちを利用することで、芝が傷むのを防ぎます。芝生は同じ箇所ばかり踏んでいると、その箇所だけ剥げてきて見た目が悪くなってしまいます。
他にも、太陽の光で温まるジェラストーンなどの石素材の周辺は、植物がよく成長するなど、様々な利点がこのジェラストーンにあります。
芝生の庭デザイン例④天然芝生+コンクリート
芝生の庭デザイン例
④天然芝生+コンクリート
お手入れを楽に!広いお庭で芝生を楽しむデザイン ~神奈川県横須賀市 A様邸
これまではお母様がお庭の管理をされていたそうですが、最近は草取りが大変になり手に負えなくなったため、管理の楽なお庭にしたいと、息子さんからご相談いただきました。
「庭の中央に楕円のような角に丸みをもった形で芝生を残したい」とご希望頂き、芝生のスペースをコンクリートで囲むデザインを提案致しました。
広いお庭をコストパフォーマンス良く雑草対策するには、コンクリートを使うのもおすすめです。コンクリートはジェラストーン張りに比べると手頃な価格ですし、このようにレンガでアクセントを付けるデザインにすれば、冷たい印象にならず温かく優しい雰囲気を演出することができます。
芝生の庭デザイン例⑤天然芝生+英国風ガーデン
芝生の庭デザイン例
⑤天然芝生+英国風ガーデン
イギリス風建築の住まいに似合う芝生のお庭 ~神奈川県鎌倉市 K様邸
青々とした芝生と、各種の花が咲き誇るK様のお宅。本格的なイギリス風建築の住まいと、それに合う洋風庭園がご希望でした。
奥様のお話では「これまでは本当に殺風景な庭でした。主人も私も植物が大好きで、花の咲き乱れる庭にしたいと考えていました。イギリスの英国風ガーデンにあこがれてよく雑誌を見ては夢を膨らませていました。」とのことでした。
グリーン・パトロールでは、お庭の雑草対策リフォームのご相談を無料で承っております。
弊社の女性一級建築士が、お客様のニーズ合ったお庭のご提案をさせていただきますので、「庭を有効に使いたいけどよく分からない」「どんな庭にしたいかまだアイデアがまとまっていない」という方も安心してご相談ください。
グリーン・パトロールの雑草対策工事は、経験と技術のある造園職人が行い、下地の整地から使用する防草シートの品質まで徹底的にこだわっています。
防草技術に自信があるので、施工後万が一防草シートの下や隙間から雑草が生えてくる事があれば無料で対応致します。
ご相談・お見積もりは無料ですし、当社はしつこい営業も致しません。安心してお気軽にご連絡ください。